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飲酒のメリットとデメリットについて~禁酒が必要な人も

作成日:2022年4月6日

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飲酒のメリットとデメリットについて~禁酒が必要な人も

ほどよい飲酒には効用があるともいわれていますが、アルコールが体に悪影響を及ぼす可能性があることも事実です。

「酒は百薬の長」という言葉は約2000年も前、中国の「食貸志(しょっかし)」という経済に関する記録の中に記されていたといわれています。

以来、この真意について研究が続けられています。

適量の飲酒のメリット

適量の飲酒にはいろいろな効用があるといわれます。

食欲が増進する

アルコールは消化酵素の分泌を促進し胃の血流をよくすることで、胃の働きを活性化します。

消化の働きを亢進するため、食欲増進の効果が期待できます。食前酒にはこのような消化器官への良い影響が期待できます。

血行が良くなる

アルコールには血管を拡張して血行を促進する効果があります。その結果、体が温かくなったり疲労回復の効果が期待できます。

ストレスが緩和される

適量の飲酒では精神的な緊張をほぐしてストレスを軽減する作用が期待できます。

飲酒によって緊張がほぐれるのは、アルコールが大脳新皮質の働きを鈍くするためで、感情や衝動、食欲、性欲などの本能的な部分を司る大脳の旧皮質や辺縁系の働きが活性化されて気分が高揚して活気が出ます。

ワインやウイスキーなどは、その香りにもリラックス効果があると考えられています。

コミュニケーションが円滑になる

一緒に食事を囲みお酒を飲むことは、人と人との円滑なコミュニケーションに役立ちます。

アルコールのリラックス効果によって話が弾んだり、本音で語ることができるなどのメリットがありますが、人によってアルコールの適量は異なるため、自分が飲み過ぎないようにすることはもちろん、他の人に無理強いしないなどのマナーを守ることが大切です。

過度の飲酒のデメリット

適量を超えた飲酒には心身に大きなデメリットがあります。

急性アルコール中毒

短時間に大量の飲酒をすることで血中のアルコール濃度が急上昇し、急性アルコール中毒を引き起こすことがあります。

泥酔から昏睡状態に至り、最悪の場合は死につながる危険があります。

全身の臓器障害

長期にわたる大量飲酒によって全身の臓器に障害を引き起こす可能性があります。

最も知られているのは脂肪肝やアルコール性肝障害などですが、肝臓以外にも多くの疾患や障害につながる可能性があります。

アルコール依存症

長期にわたる大量飲酒によって、お酒を飲まないといられなくなってしまう危険性があります。

自分でも飲まない方がいいと理解していてもつい飲んでしまい、次第に飲酒の量が増えていき、意識を失うまで飲む、平日でも朝から飲むなど、生活に支障をきたすようになります。

アルコールが切れるとイライラする、手が震えるなどの症状があらわれるようになり、重症になると幻覚症状などがあらわれることもあります。

お酒に強い・弱いにかかわらず、誰でも発症する可能性がありますが、早期に適切な治療を受けることで回復が可能です。

飲酒をしてはいけない人

飲酒によるメリットは、健康な成人が適量の飲酒をしたときに得られるものであり、飲酒をしてはいけない人もいます。

未成年

未成年の飲酒は法律で禁じられています。

急性アルコール中毒を起こしやすいだけではなく、20歳未満の飲酒には身体的、精神的、社会的にも悪影響があるためです。

・身体的悪影響

脳の成長期にアルコールを摂取することで脳の神経細胞が破壊され、早期に脳萎縮をもたらす危険があります。

また性ホルモンに悪影響を及ぼし、性腺機能障害によって生殖機能に異常をきたす可能性があります。

他にも脂肪肝や肝硬変、すい炎や糖尿病などの内臓疾患を引き起こす可能性があります。

・精神的悪影響

飲酒開始年齢が早いほど、短期間でアルコール依存症を発症しやすいといわれています。

精神的な成長や心理的な発達が遅延したり、怒りっぽくなる、自己中心的、自暴自棄など、性格に変容をきたす可能性もあります。

・社会的悪影響

飲酒開始年齢が早いほど理性的な行動ができなくなり、学校や職場での適応が困難となって、事故や犯罪に巻き込まれるリスクが高くなるといわれています。

妊娠中の人

妊娠中の女性が飲酒すると、産まれてくる子どもにさまざまな影響を及ぼすことがわかっており「胎児性アルコール・スペクトラム障害」と呼ばれています。

特徴的顔貌があり、発達の遅れや中枢神経の障害、知的能力の障害などのリスクがあります。

母体の状態や個人差による差異もあるため飲酒量の閾値はわかっておらず、現在は胎児性アルコール・スペクトラム障害の治療法はありません。

妊娠時期や飲酒量にかかわらず、妊娠中は飲酒を避けることが唯一の対策です。

フラッシャー

少量の飲酒(ビールコップ1杯程度)で起きる顔面紅潮・吐き気・動悸・眠気・頭痛などの不快な反応を「フラッシング反応」といい、お酒に弱い人、つまり遺伝的に2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い体質の人を「フラッシャー」と呼びます。

アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドの分解が遅いことで、アセトアルデヒドが体内に貯留することが主な原因で、日本人は欧米人に比べてフラッシング反応を起こしやすい人が多いといわれており、フラッシャーが習慣的に飲酒をすることは、食道がんや咽頭がんのリスクが高まると考えられています。

お酒に弱い人でもフラッシング反応の程度に応じて適量のお酒を楽しむことに問題はないと考えられていますが、習慣的な飲酒にはリスクが伴うことがあります。

またお酒に弱い人でも、習慣的に飲酒をすることでフラッシング反応がおこりにくくなることがありますが、アルコールを分解する働きが高まったわけではないため注意が必要です。

適量の飲酒とはどの程度の量?

体にとって「百薬の長」となりうる飲酒量とは、どの程度の量なのでしょうか。

Jカーブ効果

1981年にイギリスで発表された疫学調査の結果に「飲酒と死亡率のJカーブ効果」があります。

これは、毎日適量の飲酒をする人は全く飲まない人やときどき飲む人に比べて、心筋梗塞などの冠動脈疾患による死亡率が低い傾向にあり、毎日大量の飲酒をする人やアルコール依存症患者では、冠動脈疾患による死亡率が極端に高くなっているというものです。

調査数値をグラフに表すとアルファベットの「J」の字になることから「Jカーブ効果」と呼んでいます。

これは全死亡率(病気だけではなく事故などを含めたすべての原因による死亡率)に対して、飲酒量ごとの相対的な死亡率をグラフにしたものなので、お酒を飲むことで必ず死亡率が下がるわけではなく、「個人に適した量の飲酒をした場合」に死亡率が下がる可能性があることを示唆しているといえます。

研究論文からみた「健康に良い飲酒量」

2005年までに発表された「健康に良い飲酒量」についての研究論文を統計学的に処理したものが、イタリアの研究者たちによって発表されました。

その結果は、飲酒をしていない人よりも少し飲酒をする人の方が死亡の相対リスクが低いというものであり、その飲酒量はアルコール量として1日あたり男性6~7g、女性4g程度という結論となっています。

これは350mlの缶ビールを2人で分けて飲む程度といえます。

健康に良い飲酒量とは

飲酒量の適量には個人差が大きいため、死亡リスクを下げるための飲酒量としてはっきりとした量は示されていませんが、厚生労働省では1日平均アルコール量として20g程度を推奨しています。

これはビール中ビン1本または日本酒1合またはウイスキーダブル1杯に相当します。

ただし現在飲酒の習慣がない人に対して、飲酒を推奨するものではありません。

まとめ

飲酒にはデメリットだけではなく、メリットがあることも事実です。

飲酒による良い効果を得るためには適量の飲酒を守ることが大切ですが、適量には個人差が大きいため、明確なアルコールの目安量を示すことはなかなか難しいようです。

適量の飲酒は消化を促進する作用があり、食欲を増進させます。

お酒には食事のおいしさを増す効果があると同時に、食べながらお酒を飲むことで内臓への負担を緩和する作用が期待できます。

適量の飲酒を心がけて、心身の健康を維持しましょう。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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