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石けんの手洗いと手指消毒 今こそ感染予防の基本を再確認

作成日:2021年12月28日

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石けんの手洗いと手指消毒 今こそ感染予防の基本を再確認

人が感染する病原体(細菌やウイルス)は、呼吸によって人の口や鼻から侵入することもありますが、病原体が付着した手で口や鼻などに触ることで体内に侵入することもあります。

さらに病原体が付着した手でさまざまな物や場所に触れることで病原体を運び、感染は拡大します。

手を洗うことは自分の体内に病原体が侵入することを防ぐだけではなく、周囲の人を感染させないためにも、とても有効な感染対策のひとつです。

手洗いについて

手洗いは、石けんやハンドソープを使って手を洗い、流水ですすいでから、しっかりと水分を拭きとることが基本です。

石けんやハンドソープを使った手洗いの目的と効果

石けんやハンドソープを使った手洗いは、手についた病原体を洗い流し、病原体の数を減らすことができるだけではなく、石けんやハンドソープの成分である界面活性剤の効果によって病原体を不活化(病原性や感染性が排除された状態)し、生存性を低下させることができます。

100万個の病原体が付着した手を「ハンドソープを使って60秒もみ洗い後、流水で15秒すすいだ」場合、手に付着した病原体は約数十個(残存率0.001%)にまで減少するという実験結果があります。

さらに「ハンドソープを使って10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぐを2回繰り返した」場合では、手に付着した病原体は約数個(残存率0.0001%)という結果があり、正しい手洗いによって手についた病原体を洗い流す効果は実証されています。

また多くの病原体では、乾燥した状態では生存性が低下します。手洗いのあとはしっかりと手を拭いて水分を取り除きましょう。

手洗いのタイミング

誰でも必ず手洗いが必要なタイミングは、帰宅時、トイレのあと、飲食の前です。帰宅時とトイレのあとは、手には多くの病原体が付着しています。

石けんやハンドソープを使ってしっかりと手を洗いましょう。

また飲食のときには、手づかみをしなくても手が口や鼻に近づきます。「食べる前には手を洗う」を習慣にしましょう。

そのほかにも調理の前や調理中、掃除のあと、ガーデニングなど土を触ったあと、赤ちゃんや高齢者のおむつ交換の前後などは手洗いが必要なタイミングです。

手洗いの方法とポイント

手を洗う前には指輪やブレスレット、時計などを外し、しっかりと手首が出る位置まで袖をまくっておきましょう。

寒い季節は、水が冷たいことで手洗いの時間が短くなる傾向があります。

子どもや高齢者のいる家庭では特に、手洗いにぬるま湯を使えるようにしておくのも効果的です。

また石けんやハンドソープをつけてから長時間1回洗うよりも、短時間で2回洗う方が洗浄効果が高いという実験結果があります。

感染症の流行時や家庭内に感染者がいる場合など、必要に応じて2度洗いを取り入れるのも有効です。

・手をぬらして、よく泡立てる

石けんやハンドソープは、泡立てることで洗浄成分が汚れとなじみ、汚れを落としやすくなります。

流水で手をぬらし、適量の石けんやハンドソープをつけたら、よく泡立てましょう。

・汚れが残りやすい部分を意識する

手の甲、親指の全体、指先、爪の周り、指と指の間、手首などは汚れが残りやすい部分です。

汚れが残りやすい部分を知っておき、意識してこすることで洗い残しを減らすことができます。

・流水ですすぐ

流水ですすぐことで効率よく病原体を取り除くことができます。必ず流水ですすぎ、石けんやハンドソープが残らないようにしましょう。

・しっかりと水分を拭きとる

清潔なタオルやハンカチ、ペーパータオルなどで、水分をよく拭きとりましょう。水分をよく拭きとることは、手荒れの予防にも役立ちます。

手指消毒について

一般的な手指消毒にはアルコール手指消毒剤を使用します。

アルコールには手に付着した病原体を比較的短時間で減少させる効果があるため、水と石けんやハンドソープを使った手洗いができないときや、手洗いに加えてさらに高い衛生効果が必要な場合には、アルコール手指消毒剤を使用します。

どうしてアルコールで消毒できるのか

アルコールには一定の濃度以上で病原体の細胞膜を溶かして穴をあけて細胞を壊したり、細胞のタンパク質を変性することができます。

これらの作用によって病原体の細胞を壊すことで消毒の効果が得られます。

アルコール手指消毒剤の使い方とポイント

自動でアルコールが噴霧される場合は適量が自動で出ていますが、ポンプやスプレー容器に入っているアルコール手指消毒剤の場合は、容器のポンプをしっかりと下まで押して出てくる量(スプレーの場合はトリガーをしっかり奥まで引いて出てくる量)が適量です。

手洗いに続いて使う場合は、水分をしっかり拭きとり、乾いた手にすりこむようにしましょう。

・汚れを落としてから使う

手が汚れた状態で使うと、消毒の効果は低下します。

手を洗ってからアルコール手指消毒剤を使うのが理想的ですが、手が洗えないときもウエットティッシュなどで目に見える汚れを落としてから使う方が効果的に消毒ができます。

・塗り残しをなくす

アルコール手指消毒剤が病原体と接触することで消毒の効果が得られることを考えると、手に塗り残しがないことが大切です。

アルコール手指消毒剤は片方の手のひらにとることが多いため、手の甲に塗り残しが多く、指や手首にもいきわたっていないことが多いという検証結果があります。

手洗いと同じく塗り残しやすい部分を知っておき、意識的に塗り広げるようにしましょう。

・しっかりすりこむ

アルコール消毒では、消毒剤と病原体が接触している時間も重要といわれています。

アルコール手指消毒剤を手でこすり合わせてすりこむ時間が短いと、消毒効果が低くなる可能性があります。

医療現場においても、十分な量のアルコール手指消毒剤を手に取り、15秒以上しっかりとすりこむことが効果的な使い方とされています。

アルコール手指消毒剤を手にとったら、アルコールが完全に揮発するまで15秒以上しっかりとすりこむようにしましょう。

感染リスクが高いとき

社会的に感染症が流行しているときなど、感染症のリスクが高まっている時期には、家庭に感染症を持ち込まないためにできることを見直してみましょう。

帰宅してから手を洗うまでの動線

玄関を境と考え、玄関にアルコール手指消毒剤を設置し、マスクを捨てる専用のごみ箱を置きましょう。

マスク用のごみ箱は、足踏み式のふたがついていると理想的です。

靴を脱いで玄関から上がったら、住宅の間取りによって難しいこともありますが、玄関からできるだけ近い部屋で上着を脱ぎ、そのまま洗面所へ向かって手を洗います。

手を洗うまでは、他の家族も触れる可能性のある場所(電気のスイッチやドアノブなど)にはできるだけ触れないようにします。

このタイミングで手洗いだけでなく、入浴ができれば理想的です。家族が集まる場所に病原体を持ち込まないようにする動線を考えてみましょう。

2度洗いと消毒

感染症のリスクが高まっている場合には、衛生的手洗いが効果的です。

衛生的手洗いとは、石けんやハンドソープを使った適切な方法の手洗いで2度洗い後、しっかりと水分を拭きとってからアルコール手指消毒剤での消毒を行うことです。

ただし、手洗いの回数が多くなると手荒れの原因となることがあるため適切なタイミングで行い、丁寧なハンドケアも必要です。

手が触れる場所の消毒

水道の蛇口やスイッチ類、ドアノブの他、電子レンジや冷蔵庫の取っ手なども家族の誰もが触れる可能性があります。

できれば住居用の消毒剤をよく使う場所ごとに置いておき、こまめに消毒するのが理想的です。住居用の消毒剤は人体には使用できません。

手指用の消毒剤と間違えることがないように、容器などをしっかり分け、子どもや認知症の高齢者の手の届かない場所に保管しましょう。

手洗いのまとめ

感染症を引き起こす病原体は、人の手を介して人体に侵入したり、感染を拡大したりします。

正しい手洗いと手指消毒によって手を衛生的に保つことは、感染症の予防にとても有効な方法です。

感染予防の基本は「手洗い」です。普段から正しい手洗いを実践することで、多くの感染症を予防することできます。

さらに感染予防には免疫力を維持することも大切です。過労やストレス、低栄養などが原因となって免疫力が低下することがあります。

感染予防には栄養バランスの整った食事が欠かせません。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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