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なんとなく、でもつらい 更年期症状について

作成日:2021年12月28日

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なんとなく、でもつらい 更年期症状について

女性の閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間を更年期と呼びます。

更年期には、原因がはっきりしないさまざまな不定愁訴を感じることがありますが、個人差も大きく、本人のつらさを周囲の人には理解してもらいにくいこともあります。

女性は誰でも通過する更年期と更年期症状について知っておきましょう。

男性も加齢に伴って男性ホルモンのテストステロンが低下することで更年期様症状が引き起こされることがありますが、ここでは女性の更年期症状について取り上げます。

更年期症状の原因と種類

更年期にあらわれるさまざまな症状の中で、他の病気を伴わないものを「更年期症状」と呼びます。日常生活に支障をきたすような重症の更年期症状は「更年期障害」と呼びます。

更年期症状の原因

主な原因となるのは女性ホルモンエストロゲンが大きくゆらぎながら低下していくことにあります。

それに加えて加齢による身体的な要因や心理的要因、職場や家庭などの環境的要因などが複合的に関与していると考えられています。

更年期には個人差が大きく、ほとんど自覚症状なく過ごせる人もいれば、日常生活に支障をきたすような症状が出る人もいます。

更年期症状の種類

更年期症状には一般的に不定愁訴といわれるようなさまざまな症状があり、その強さや頻度には個人差もあります。

・頭痛

エストロゲンの減少が頭痛の原因となることがあります。エストロゲン分泌のゆらぎが大きい閉経前に悪化し、エストロゲンの変動が治まる閉経後に軽快する傾向があります。

・めまい

エストロゲンの減少によって自律神経のバランスが乱れることに加え、加齢による感覚器官の機能変化によってめまいや耳鳴りなどの症状が起こりやすくなります。

・不眠

更年期症状のほてりや発汗が夜間に起こることで睡眠が妨げられたり、不安や抑うつなどの症状に伴って不眠が生じることがあります。

またプロゲステロンやエストロゲンの生産が減少することで、閉経後の女性で睡眠時無呼吸症候群が増加している可能性も示唆されています。

・不安、抑うつ

卵巣の機能低下によって脳の視床下部や下垂体の機能にも変調が起こります。

視床下部は自律神経や精神活動もコントロースする働きがあるため、不安感を生じやすい状態と考えられます。

さらに年齢的に子供の自立や夫の定年、親の介護など、ライフステージが大きく変化することも大きな要因と考えられています。

・イライラ

エストロゲンは精神を安定させる作用があるセロトニンという神経伝達物質の生成にかかわっています。

エストロゲンの減少により、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの生成が不足し、感情のコントロールが難しくなることがあります。

・ホットフラッシュ、寝汗

顔や頭部・胸部などに数分間持続する熱感と発汗があり、脈拍が増加する症状で、半数以上の女性が経験するといわれています。

エストロゲンの減少によって自律神経のバランスが乱れ、血管の収縮や拡張が適切にコントロールされないために起こります。

・動悸、息切れ

女性ホルモンの分泌をコントロールする視床下部の変調により、自律神経のバランスが乱れることで動悸や息切れが生じます。

激しい運動などをしなくても突然動悸がしたり、寝ているときにも呼吸がしづらいと感じたりします。

・むくみ

エストロゲンの減少によって自律神経のバランスが乱れ、血管の収縮や拡張が適切にコントロールされないことに加えて、加齢による筋力低下によってリンパの流れが悪くなることでむくみやすくなります。

・口渇、ドライアイ

エストロゲンは皮膚や粘膜の潤いを保ち、保護する作用があります。

エストロゲンの減少によってその作用が低下し、さらに自律神経のバランスが乱れることで、唾液や涙の調節にも変調をきたすことで起こります。

・その他の症状

胃もたれや胸やけ、下痢や便秘など消化器系の症状や、肩こり、腰痛、背中の痛み、手指の痛みや変形、しびれ、尿失禁、性交痛など、全身にさまざまな症状があらわれることがあります。

更年期症状の対策

更年期症状を軽減するためには、生活習慣の改善など、日常生活の中でできることもあります。

自分に合った方法で改善を試みて、症状が軽減しない場合には婦人科を受診しましょう。

バランスのよい食事

更年期にはさまざまな不快症状によって食欲が変化し、食事の内容もバランスを崩しやすくなります。

主食・主菜・副菜を基本に、いろいろな種類の食品を摂ることを心がけましょう。

更年期を境に血圧が上昇する傾向があるため、塩分の摂り過ぎには注意が必要です。

また女性ホルモンの変化により骨粗しょう症のリスクが高まるため、良質のタンパク質やカルシウム、ビタミンDなどは積極的に摂りたい栄養素といえます。

手軽に摂りやすい牛乳・乳製品、卵などの食品を毎日の食事にうまく取り入れましょう。

更年期症状以外の持病によって食事に注意が必要な場合は、かかりつけの医師や管理栄養士の指導に従ってください。

適度な運動

適切な運動習慣が更年期症状の改善にも有効であることを示す実験結果があります。

ウォーキングなどの有酸素運動や、ヨガなどのゆっくりとした動きでも効果があります。

運動の種類は無理なく楽しく継続できるものを選び、週に3~4回行うのが理想的ですが、無理せず体調に応じて行うようにしましょう。

薬物療法

生活習慣の改善を試み、改善がみられない場合には薬物療法が有効なこともあります。

・ホルモン補充療法(HRT)

減少傾向にあるエストロゲンを補う治療法です。

エストロゲン単体では子宮内膜増殖症のリスクが上昇する可能性があるため、黄体ホルモンを併用することもあります。

使用するホルモン剤には内服薬の他、貼るタイプや塗るタイプの薬もあり、その使用方法も様々です。

更年期にホルモン補充療法を開始した場合、心臓や血管の疾患や骨粗しょう症などの予防効果も期待できるといわれています。

・漢方薬

更年期のいわゆる不定愁訴には、漢方治療が適用されることも多くあります。

更年期症状に効果的といわれる漢方薬は数種類あり、その人の体質などを考慮したうえで処方されます。

・向精神薬

抑うつやイライラ、不眠、情緒不安定など、精神症状によって日常生活に支障をきたすような場合には、向精神薬を用いることもあります。

新規抗うつ薬の一種には、ほてりや発汗などの症状にも有効で、副作用が少ないものもあります。

エクオールとは

エクオールは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインの代謝物で、女性ホルモンに似た働きをすることがわかっています。

女性ホルモンのような作用がある「エクオール」

エクオールはエストロゲンに類似した構造を持ち、エストロゲン受容体に結合することでエストロゲン様の作用を示すと考えられています。

エクオールにはエストロゲン様作用の他にも、エストロゲンが過剰な時にその作用を抑制する「抗エストロゲン作用」や抗酸化作用も認められています。

エクオール産生菌

エクオールは大豆イソフラボン中のダイゼインをもとに、「ラクトコッカス20-92」という乳酸菌によって人の腸内で作られることから、ラクトコッカス20-92は「エクオール産生菌」とも呼ばれています。

腸内にこのエクオール産生菌がある人は、大豆を食べることでエクオールを作り出すことができます。

日本人では中高年女性の約2人に1人の割合で、エクオールを作ることができるといわれていますが、エクオールを作り出せる人の比率は世代や国によっても異なるようです。

また現在エクオールを作り出すことができている人でも、加齢や腸内環境の変化などによって作れなくなる可能性もあります。

腸内にエクオール産生菌があるかどうかは、尿検査で調べることができます。

どのくらい大豆を食べればよいか

エクオールを作り出すことができる場合は、エクオールの材料となる大豆イソフラボンと、腸内細菌のエサとなる食物繊維などを食事から摂ることで、減少していくエストロゲンを補える可能性があります。

エクオールの1日の摂取目安量は10㎎といわれており、これは納豆1パック、または木綿豆腐2/3丁にあたります。

作り出したエクオールは体内に留めておくことができないため、毎日食べ続けることが大切です。

まとめ

更年期症状は、閉経の前後5年間に発症する、主にエストロゲンの減少によって引き起こされる症状です。

非常に多くの症状があり、発症の時期や強さ、頻度には個人差も大きいのが特徴です。

更年期症状には加齢による体の変化だけではなく、性格や生活環境なども影響を与えます。

症状を軽減するためには食事や運動などの生活習慣を見直すことも大切です。

しかし体調の変化は食事にも悪影響を及ぼすことがあり、栄養バランスの良い食事が大切だとわかっていても、食欲がなかったり、食事の用意が苦痛な時もあります。

手をかけずに食べられて、タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維などが少しでも摂れるような食品を常備しておくのもよいでしょう。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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