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低温やけどとは?治療や予防について

作成日:2022年2月24日

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低温やけどとは?治療や予防について

低温やけどは、心地よい温度と感じる約40~50℃の比較的低い温度のものに長時間接触することで起こります。

低温やけどは湯たんぽや電気あんか、ホットカーペット、カイロなどが原因で起こることが多く、これらを使う頻度が高い冬場は特に注意が必要です。

このページでは低温やけどの原因や治療法、予防法などについて解説します。

低温やけどとは?

低温やけどは通常ではやけどをしないような比較的低い温度のものが長時間に渡って接触することで生じます。

一般的なやけどは70℃の熱源に触れると約1秒で起こりますが、低温やけどの場合は44℃で3~4時間、46℃では30分~1時間、50℃では2~3分と低い温度でじっくり起こります。

また、低温やけどの場合は自覚症状があらわれにくく、気付かないうちに皮膚の奥まで損傷していることもあります。

低温やけどの多くは電気ストーブやこたつ、カイロ、湯たんぽ、電気毛布など長時間身体に当てて使用するものが原因となります。

最近ではスマートフォンやノートパソコンなどの電子機器による低温やけどもみられるようになりました。

低温やけどを発症すると紅斑や痛み、水ぶくれなどがみられます。

皮膚の深部まで損傷していると、損傷した部位の血流が悪くなって細胞が壊死し、皮膚が黒くなることもあります。

また、傷口から感染を起こしたり、治癒しても皮膚がひきつれてしまったりなどの後遺症が残る場合もあります。

やけどの深さによる分類

やけどは損傷の程度によりⅠ度~Ⅲ度に分類されます。低温やけどは気付かないうちに深部まで損傷していることが多く、Ⅲ度となることも珍しくありません。

皮膚の構造

皮膚の構造

Ⅰ度 Ⅱ度(浅い) Ⅱ度(深い) Ⅲ度
損傷レベル 表皮より浅い 表皮、真皮の浅い層 表皮、真皮の深い層 皮膚全層

皮下組織

皮膚の所見と症状 紅斑、痛み、熱感 水ぶくれ、

強い痛み

水ぶくれ、

弱い痛み

黒色もしくは白色、無痛、感覚無し
治療期間 数日 1~2週間 3~4週間 1か月以上
傷跡 残らない 残らない 残る 残る

低温やけどに注意が必要な人とは?

・意識がない状態あるいは身体に麻痺があり、感覚が無い状態

熱さを感じない、または感じていても自力で身体を動かすことができない状態では、熱源から遠ざかることができないため注意が必要です。

介護者は室温が低い場合でも、被介護者の身体の近くに低温やけどを起こす可能性がある暖房器具を置いたり、使い捨てカイロを貼ったりすることなどは避けましょう。

・高齢者や乳幼児

高齢者や乳幼児は皮膚が薄く、一般的な成人よりも低温やけどを起こしやすくなります。

自分で温度調節が難しい高齢者や乳幼児に暖房器具などを使用する場合は介護者や親の見守りが必要です。

・末梢神経障害のある糖尿病患者

糖尿病が進行すると末梢神経障害を合併し、皮膚の温度に対する感覚が鈍くなります。

そのため、熱さが感じにくくなり、低温やけどを起こしやすくなります。糖尿病があると傷が治りにくくなることや感染を起こしやすくなるという特徴もあり、やけどの治療が難しくなることがあります。

低温やけどの治療方法とは?

低温やけどに気付いたら直ちに流水で冷やすことが大切です。冷やすことでやけどが深くなることを防ぎ、痛みを和らげることができます。

部位にもよりますが、5分から30分を目安に流水で冷やしましょう。氷や保冷剤はタオルで包むなどして直接皮膚に当たらないようにします。

冷却スプレーや冷却シートはやけどには効果がありません。水ぶくれができてしまった場合は無理に潰さないようにしましょう。

雑菌が入り、感染のおそれがあります。服を脱ぐと水ぶくれが破れてしまう場合があるため、服の上から冷やします。

応急処置をしたら、皮膚科を受診しましょう。

病院では、Ⅰ度~Ⅱ度の浅いやけどの場合には、基本的に創部は乾燥させずに軟膏や被覆材を用いて湿潤環境にし、表皮の再生(上皮化)を促します。

皮膚の浅い部分のやけどは順調に治ると後遺症を残さない場合がほとんどです。

Ⅲ度のやけどの場合には、皮膚の血流が悪くなって細胞が壊死してしまいます。壊死した部分は細菌が感染しやすくなるため、基本的には切除します。

広範囲の場合は治癒に時間がかかるだけでなく、色素沈着や皮膚のひきつれなどの後遺症の可能性が高くなります。

創部が広範囲の場合は、身体の他の部分から皮膚を移植する手術が必要となることもあります。

低温やけどの予防方法とは?

・湯たんぽや電気あんか、電気毛布などは就寝前に布団を温めるために使う。

足は他の部位に比べて知覚が鈍く、熱を分散しにくいことから低温やけどになりやすい部位であるため、湯たんぽや電気あんかが足に触れたまま眠ってしまうのは危険です。

これらは就寝前に布団を温めるために使い、就寝時は布団から出すようにしましょう。

タオルやカバーで包んでいるからと過信するのはよくありません。電気毛布も同様に就寝前に布団を温めるだけに使うようにしましょう。

・使い捨てカイロは目的に応じて使い分け、使用方法を遵守する。

ほとんどの使い捨てカイロは就寝時やこたつ、暖房器具の至近距離での使用を禁じています。

目的・用途別に使い分け、正しく使用するようにしましょう。

<使い捨てカイロの取り扱い上の注意点>

(1)布団やこたつの中、就寝時や暖房器具の至近距離では使用しない。
(2)子ども、身体の不自由な方、皮膚の弱い方、初めて使う方は特に注意する。
(3)肌に直接貼らない。
(4)下着など薄い衣類で使用する場合は注意する。
(5)熱いと感じたらすぐに剥がす。すぐに剥がせない状態で使用しない。
(6)使い捨てカイロが押さえつけられるようなガードルやサポーターなどとの併用など、血行が妨げる使い方をしない。
(7)糖尿病など温感および結構に障害のある方は使用しない。
(8)(靴専用)スリッパやサンダル、サイズが大きい靴など空気の入りやすい履物では高温になることがあるため、使用しない。
(9)(靴専用)ジョギングなどスポーツをする時には使用しない。

・こたつやホットカーペットはタイマーを設定しておく。

就寝時に一晩中使用しないことが原則ですが、こたつやホットカーペットでうっかり眠ってしまった時に低温やけどになることを防ぐため、タイマーを設定するようにしておきましょう。

タイマーが無いものは就寝前に必ず電源を切りましょう。

まとめ

低温やけどは暖房器具や使い捨てカイロを使用する機会が多い冬に多く、自覚症状が乏しいため気付かないうちに重症化しやすいという特徴があります。

特に皮膚の薄い高齢者や、末梢神経障害を伴う糖尿病、麻痺などがある場合に起こりやすいため、カイロや電気毛布、こたつなどを使用する時は十分に注意する必要があります。

低温やけどに気付いたら、自己判断で放置してしまったり民間療法に頼ったりせず、応急処置をしてなるべく早く皮膚科を受診しましょう。

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この記事の作成者:A.N(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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