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歯周病の予防ケアとは~最も大切なのは歯磨き

作成日:2022年4月18日

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歯周病の予防ケアとは~最も大切なのは歯磨き

30歳以上のおよそ80%の人に歯周病があるといわれています。

初期の歯周病では多くの場合で痛みなどはありませんが、歯ぐきの炎症などをくり返していくうちに進行していき、最後には歯を抜くことにもなりかねません。

歯周病とは

歯周病は細菌感染によっておこる炎症性の疾患で、歯の周囲の歯ぐき(歯肉)や歯を支えている骨などが壊されていく病気です。

歯周病の原因

歯周病の直接の原因となるのは歯垢(プラーク)です。

歯垢は生きた細菌のかたまりで、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に潜んでいます。

この細菌が出す毒素が歯ぐきに炎症を引き起こします。

歯周病を悪化させる危険因子

歯周病の原因は歯垢ですが、口腔内の環境や生活習慣なども歯周病の危険因子となります。

歯垢を取り除くことに加えて、歯周病を悪化させる危険因子を少なくすることが必要です。

・口腔内の環境

歯石、歯並び、不適合な冠、噛み合わせの不良、口呼吸など

・生活習慣など

喫煙、食習慣、ストレス、運動不足、睡眠不足、歯みがき習慣など

・体調、体質など

肥満、女性ホルモンの変化、薬の影響、遺伝など

歯周病と全身疾患

歯周病はさまざまな全身の病気ともかかわっていることがわかっています。

・動脈硬化

動脈硬化は血管が硬くなって柔軟性が低下したり、血管が狭くなった状態です。

動脈硬化は食生活や運動習慣などが要因といわれてきましたが、歯周病の原因菌による刺激が動脈硬化を誘導する可能性がわかっています。

・糖尿病

糖尿病があると歯周病の進行が促進されます。反対に、歯周病を治療することで糖尿病が改善するケースもあります。

・妊娠性歯肉炎

妊娠中は女性ホルモンの変化によって歯周病がおこりやすくなると考えられています。

女性ホルモンのエストロゲンが特定の歯周病原細菌の増殖を促し、プロゲステロンは炎症のもとであるプロスタグランジンを刺激するため、妊娠中期から後期には妊娠性歯肉炎がおこりやすくなります。

妊娠中の女性が歯周病に罹患した場合、低体重児や早産のリスクが高まることもわかっているため、注意が必要です。

・骨粗しょう症

骨粗しょう症は閉経後の女性に多く発症します。

閉経によってエストロゲンの分泌が減少して歯周病が進行しやすくなることに加えて、骨粗しょう症によって歯を支える歯槽骨がもろくなることで、歯を失うリスクも高くなると考えられています。

さらに骨粗しょう症の治療薬の中には、歯や歯ぐきの状態に影響を及ぼす可能性がある薬剤もあります。

・誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、食物や唾液が本来入らないはずの気管や肺へ入り込んでしまうことで発症する肺炎です。

特に免疫力低下した高齢者に多く発症しますが、誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは歯周病菌であるといわれています。

歯周病の症状

次のような症状がある場合には歯周病の可能性があります。

毎日の歯みがきでは不十分な可能性があるため、早めに歯科を受診し治療を受けましょう。

歯ぐきの腫れ

歯ぐきが丸く腫れぼったくなっていたり、腫れてぶよぶよとやわらかくなっている場合は、痛みがなくても歯科を受診しましょう。

悪化すると歯ぐきから膿が出たり、歯がぐらぐらと動くようになる可能性があります。

歯ぐきが腫れていても歯みがきはしましょう。

刺激の少ないやわらかい歯ブラシを使用して、やさしくマッサージするようにみがきましょう。

歯ぐきからの出血

歯みがきのときに歯ぐきから出血があるからといって、歯みがきが不十分になると、歯周病は悪化していきます。

刺激の少ないやわらかい歯ブラシを使用して、出血を怖がらずにやさしくブラッシングしましょう。

歯がしみる

冷たいものがしみる場合は、歯ぐきが退縮して歯ぐきの根元が露出することで起こる、知覚過敏の可能性があります。

悪化すると歯ブラシがあたっても痛みが生じ、歯みがきが苦痛になる可能性があります。

その結果歯みがきが不十分となり、歯周病の悪化を招く悪循環に陥ツ可能性があります。

口臭

口臭にはいくつかの原因がありますが、歯周病も口臭の原因のひとつです。

歯の根元の歯周ポケットから発生するメチルメルカプタンという口臭成分は、歯ぐきの状態の悪化に伴って発生量が増えます。

口腔内の汚れを取ることに加えて、健康な歯ぐきを維持することも口臭予防につながります。

歯ぐきがやせる

歯ぐきが下がったり歯と歯の間にすき間ができる原因は、加齢や強くみがき過ぎることも挙げられますが、歯周病も原因のひとつです。

歯ぐきがやせ続けると、歯と歯の間に歯垢がたまりやすくなって歯周病が悪化したり、歯を支える力が弱まってくる可能性があります。

症状の進行を抑えるためには丁寧な歯みがきでお口の中を清潔に保つことが大切です。

歯周病の予防

歯みがき

歯周病予防のために最も大切なのは毎日の歯みがきです。

・ハブラシの選び方

一般的にはナイロン毛で平らなブラシ面のハブラシを選びましょう。

ヘッドは小さめの方が奥まで届きやすいですが、お口の大きさによっても異なるため、使いやすい大きさのものをみつけましょう。

毛質がやわらかすぎるものは汚れが十分に取れなかったり、かたすぎるものは歯ぐきを傷つける可能性があるので、通常はふつうのかたさのものを使います。

1か月程度を目安にハブラシは新しいものと交換し、1か月以内に毛先が開いてしまう場合は、みがく力が強すぎる可能性があるため注意しましょう。

・歯みがきの方法

ハブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目にあて、小刻みに動かして歯を1本ずつみがきます。

ハブラシはえんぴつと同じように持ち、ハブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で動かします。

前歯の裏や、歯並びがでこぼこしている部分はハブラシを縦にあて、上下に動かしましょう。

奥の歯は斜めにハブラシを入れるとよくみがくことができます。

・歯周病を意識した歯みがき

通常の歯みがきに加えて、歯と歯ぐきの境目を意識しながらみがきましょう。

歯と歯ぐきの境目に対して45度の角度でハブラシの毛先をあてて、5㎜程度の幅で細かくハブラシを動かしてみがきます。

睡眠中は唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすい状態になります。寝る前の歯みがきは、特に丁寧にみがくようにこころがけましょう。

歯みがきに加えて殺菌作用のあるデンタルリンスを使用するのも効果的です。

食習慣

食習慣は歯周病と大きなかかわりがあります。

・間食を控える

ダラダラと1日に何度も間食を食べるのは、虫歯や歯周病の原因となります。

間食はなるべく控えるのが理想的ですが、食べる場合は時間を決めて食べるようにして、食べた後は歯みがきをしましょう。

・糖分を摂り過ぎない

糖分は虫歯菌や歯周病菌のエサとなります。甘い菓子類だけではなく、砂糖の入った飲み物にも注意が必要です。

・しっかり噛んで食べる

よく噛んで食べることで十分な唾液が分泌され、虫歯や歯周病のリスクを低減させる効果が期待できます。

早食いややわらかい食べ物ばかり食べる習慣は十分な唾液が分泌されず、細菌が繁殖しやすい状態となっている可能性があります。

食事の中に噛み応えのあるものを加えたり、食材を大きめに切るなどの工夫をして、よく噛むことを習慣にしましょう。

喫煙

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯ぐきの血行不良を引き起こします。

さらにタバコに含まれる一酸化炭素が歯周組織の酸素欠乏を引き起こして栄養不足を招き、歯周病の悪化を招きます。

歯周病の予防や改善のためにも禁煙をおすすめします。

定期健診

歯科で定期健診を受けることで、虫歯や歯周病を早期に発見することができます。

歯周ポケットが深くなってくるとセルフケアでは歯ブラシの毛先が届かず、十分に汚れを取り除くことが難しくなります。

歯垢は時間が経過すると石灰化した歯石となって歯ブラシでは取り除くことができなくなるため、定期的に歯科を受診し専門のクリーニングを受けることは、歯周病の予防や改善に効果的です。

まとめ

歯周病は細菌感染によっておこる炎症性の疾患で、歯の周囲の歯ぐき(歯肉)や歯を支えている骨などが壊されていく病気です。

歯周病の予防には歯みがきで歯垢を取り除くことが大切ですが、さまざまな要因によって歯周病が進行しやすいこともあります。

毎日の丁寧な歯みがきに加えて、歯科の定期健診を受けましょう。

健康な歯でよく噛んで食べられることは、全身の健康維持につながります。

歯周病と全身疾患についての関係も研究が進んでいます。適切な食習慣と栄養バランスの良い食事、丁寧な歯みがきで健康を維持しましょう。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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